004 傷の治療の話

なんとなくタイトルの番号の頭に0をふたつつけているけど、一番左の0が0以外になることあるのかな。

 

誰のせいでもない傷を負ったとき、自分で治さなければいけないことは、理不尽だろうか。例えば、強風に煽られて飛んできた木の枝が腕に当たって、まあまあ大きな切り傷ができたとき、その傷を消毒したり、ばんそうこうを貼ったり、縫ったりといった処置をするために、時間やお金をかける。風も木の枝も誰かの意図で発生したものではなく、また怪我を負った人間にも一切の責任がない場合……まあそんな強風の日に外に出るなとか、不注意だとか言えばそれまでかもしれないが、あくまで「誰にも一切の責任の無い事故」だった場合、誰のせいにもできない怪我は、自分の時間やお金を支払って治すしかないわけで。

そういったことに対して、例えば事故や怪我であれば、保険や補償のような制度があるかもしれない。ちょっとクサい話だけど、これが心の傷だったら、どうすればいいんだろう。

自分の機嫌は自分で取れとはよく言われる話で、精神的に安定してる人って自分の機嫌をコントロールできるよね、みたいなやつ。誰のせいでもないとき、いや誰かのせいだとしても、その誰かには関係無い人間に不機嫌が理由で不都合を押し付けるのはそれこそ理不尽である。よくわからんけど機嫌が悪い上司とか、よくわからんけどいらいらしてる家族とか、迷惑ですよね。

いろいろと機嫌を取る方法はあるけど、好きなもの食べたり、好きな音楽を聴いたり、寝たり休んだり、でもそんな余裕すらない、動く気すら起きない、みたいなことあるじゃん。無い……? ない人はこんなくそみたいなブログ読んでないでこれからも健康的な生活を送ってくださーい。

誰か助けてくれ、と思う夜がある。でもそんなときに助けてくれる人なんて大抵いない。仕方ないので無理矢理寝たり、ネトフリつけたり、漫画読んだりする。何時間かかけて、誰のせいでもない傷を治療する。なんでこんな目に、と思うこともあるが、治療できないわけではないのだ。一晩経てば大抵の傷は癒えるし、一晩で癒えない傷は2日で癒えるし、2日で癒えない傷は3か月で癒える。

理不尽だと思う。この一晩が、2日が、3か月が、無いほうが多分幸せだから。でも誰のせいでもない。誰かのせいで不幸な時間を過ごしているわけじゃない。理不尽。

 

本当に人間は、涙の数だけ強くなるだろうか。壊れて直すたびに脆くなるものだってある。傷ついた経験が傷つけられた記憶になって、世界という名の無関係の誰かに報復してしまうこともあるだろうし。人間、余裕が無いときは奪い合うものだって、昔の文豪も言ってたような気がする。

傷なんて無いほうがいいよ。それでも傷を負わずに生きていくことなんてできない。人間って脆いから……。

 

せめてもの救いとして、きっと簡単じゃないんだと思い込んでる。生きてるだけで傷は負うし、誰も助けてくれないときは自分で治すしかない。つらい! 他の人も同じような経験してるのかな。だとしたらもうみんな生きてるだけで偉いよ。まじで。

自分でも感受性が高いほうだと思う。傷つきやすい。犬だって歩いててもこんなに棒に当たらないと思う。無理やり眠る夜、今後もしょっちゅうあると思う。そのたびに、自分で治す努力してて偉いなあって自分を褒めようと思います。

 

みんなも生きてて偉い。よく眠るんだよ。おやすみ。